2012年4月27日金曜日

マンマのワンピース

20年ほど前に、家族でロマンチック街道を中心にミニバスに乗ってキャンプ旅行した。したというか、連れて行ってもらった。
イタリアのコモ湖という風光明媚なリゾート地で市が立っていて、そこで母がワンピースを買った。向こうでは割烹着のようなものだ。
母は帰国後ずっと愛用していた。いよいよヨレヨレになって分解しかかってきた頃、姉が誕生日にミシンをくれた。母が「このワンピースはとてもいいから、これから型紙を取って縫ってみるといい」と言う。昔和裁で稼いでいた祖母(母にとっては姑)が言っていたと言う。
私はかなりのマザコン。そして、今は施設に入ってしまっている祖母。その2人の言うことだからと、ほどいて型を取って、散々試行錯誤して無理やり形にした。
母にあげようとすると、自分で着ろと言う。
だまされたような気持ちで着ることにしたが、これが実に便利。でかいポケットにはじゃんじゃん物をいれられる。
気に入って、夏用に薄手の生地(安く売ってたシーツ)で二着目を縫った。
以来、二着をエプロンがわりに着たおして一年ほど。
震災が起きた。ゴールデンウィークにボランティアに行った。二枚とも持って行った。一緒に行った友達がずっと片方を着ていた。
欲しいかどうかわからなかったけと、彼女の誕生日のときに一枚縫った。
役に立つものを人のために作るのは嬉しいものだと思った。
そして四枚目はいつも遊んでくれる別の友達に。それがこれ。
ポケットははらぺこあおむしの生地の残り。彼女は食いしん坊なので。
よれよれになるまで着たおしてくれるといいなと思う。


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